“泣き笑い”だけじゃない!発散できる楽しさが魅力
「愛の不時着」が空前のブームです。動画配信サービスのネットフリックスで視聴できますが、見たことはなくても、さすがに「愛の不時着」というタイトルは耳にしているでしょう。
私ノグチローゴが知ったのは5月だったでしょうか、漫才師の海原やすよともこさんのファンでレギュラー番組を見聞きしていまして、ラジオ番組でともこ姉さんがハマっているということでやすよさんにもおススメして、やすよさんは話数の長いドラマは苦手といいながらもやはりどハマりしたそうな。
著名人では他にも黒柳徹子さん、佐々木希さん、ラグビー日本代表の松島幸太朗選手などが「愛の不時着」ファンを公言、確か弁護士の橋下徹氏もハマっていることを自身がMCの番組で告っていた記憶もあります。
韓流ドラマといえば、誰もが真っ先に思い浮かぶ「冬のソナタ」でしょうが、オバサマ中心に女性ファンが多かった「冬ソナ」と違ってオジサンも存分に楽しめていることも注目です。
そんな、見たものみんながハマる「愛の不時着」のオモシロさを推測してみたいと思います。
北に不時着した財閥令嬢と助けた将校の純愛物語
「愛の不時着」は韓国ドラマのケーブルテレビ局tvNで2019年12月から2020年2月にわたって放送されました。韓国内の最高視聴率は21.7%、これはtvNの歴代最高記録だそうです。
2月下旬からは動画配信サービスのネットフリックスで配信され始め、視聴している国はナント190ヵ国、日本より先に火が着いたのは米国のようですね。何かと外交が取りざたされる韓国、北朝鮮の表情が垣間見える点にも興味が注がれたかも。
さて、ストーリーです。
▼愛の不時着[予告編] 00:33
北朝鮮の生活が垣間見えるリアルさ
韓国にとって北朝鮮住民の下層生活という、比較的これまで“タブー視”とされてきた、一歩踏み込んだ生活ぶりを表現している点が新しい感じ。韓国のテレビ番組には脱北女性たちが出てきて、北での暮らしや、南と北の違いを実体験に基づいて語るトークショー「いま会いに行きます」(チャンネルA)とかあってリアルな生活実態が語られています。
傍から見たらベールに覆われた暮らしぶりも、そうした実体験者が居るので、情報収集しシナリオ化することでリアリティーが描けているようです。
たとえば、不足している電力事情を表すように、電車が時速20~30㌔のノロノロ運転だったり、韓国の人が知らない方言を話す北朝鮮の田舎のおばさんなんかも出てくるようで、まさに知る人ぞ知るリアルさですね。
“韓国版ロミオとジュリエット”の声も
この「愛の不時着」、ドラマを支えているのは“決して結ばれることが許されない”という形容詞つきの南北の純愛でしょう。財閥女性と北朝鮮の軍人という間にある、軍の陰謀、家族、軍事境界線といった障壁を乗り越えられるのか…なにやら昼ドラの愛憎劇が思い出されます。
まぁさすがに南北の恋愛は悲恋となってしまうわけですが、このべたな恋模様でありながら突拍子もない設定も、韓国では“韓国版のロミオとジュリエット”と呼ばれて受け入れられているようです。
またキャストもドラマ人気を盛り立てているといえます。
映画好きならヒロイン役のセリを演じるソン・イェジンに見覚えはありませんか? それもそのはずで、日本では2005年に上映され大ヒットした「私の中の消しゴム」でもヒロインのスジン役を演じた女優さん。
おまけに相手役の軍人ジョンヒョクを演じるヒョンビンは05年に「私の名前はキム・サンスン」という、韓国で50.5%の最高視聴率を記録した大ヒットのラブコメで人気に火が着いたイケメンで、女性からの支持はバツグン。性格もナカナカで、兵役逃れをしたがる芸能人が多い中、ヒョンビンはいちばんキツイとされる海兵隊に志願入隊したナイスガイ。なかなかにアッパレな性格で、その男気に魅了された男性のファンも多いかも。
しかもナント!このソン・イェジン&ヒョンビン両名は私生活でも恋人同士では?との噂が絶えません。過去にもサスペンス映画「ザ・ネゴシエーション」(18年)での共演歴もあって、「愛の不時着」のキャスティングが発表された際にももしや!?と巷の話題をさらっていたとか。
兵役経験者による軍人役、私生活でも恋人とも目される2人による恋愛物語と、フィクションの収まらないようなリアリティーさも大ヒットの大きな要因といえそうです。
ロケ地人気でファン拡大
江原道(カンウォンド)寧越(ヨンウォル)郡のピョルマロ天文台、忠清北道(チュンチョンプクト)忠州(チュンジュ)市のピネ島…。
ドラマ冒頭のパラグライダーが飛び立つシーンや、セリが北朝鮮の仲間と涙のお別れをするシーンといった印象的なシーンのロケ地は、「愛の不時着」ファンの間の人気スポットに。
ソウルから出発するロケ地日帰りツアーや、ドラマに出てくるレストランやショップなどをナビゲーションするサイトもたくさんあって賑わっています。
実際ロケ地は韓国にとどまらず、北朝鮮、ヨーロッパなどに及んでいるので、世界的なヒットであることを考えると、各地でも盛り上げっていそうです。こうした傾向が、ファンの拡大を後押しすることにもつながるのでしょう。
Korea.net / Korean Culture and Information Service (Photographer name), CC 表示-継承 2.0, リンクによる
Korea.net / Korean Culture and Information Service (Photographer name), CC 表示-継承 2.0, リンクによる
チェ・ジウ、パク・ミョンフン、チャン・ヘジン、そして文大統領
チェ・ジウさんといえば誰もが知る韓流ドラマブームの先駆け「冬のソナタ」のヒロイン。この「愛の不時着」にも特別出演しているんですよね。セリの友人という設定で、ジョンヒョクの部下が南に潜伏したときに出会うという貴重なシーンに登場します。
ほかにも、2020年アカデミー賞を受賞した映画「パラサイト 半地下の家族」で重要な役どころを演じたパク・ミョンフン、その母親役だったチャン・ヘジンが「愛の不時着」では姉弟の役柄で登場します。こうした“味付け”もドラマが楽しめる要素になりますよね。
ちょっと政治寄りのネタですが、「愛の不時着」は“文政権のプロパガンダ”という側面もあるとか。そもそも舞台を北にしたのは、文在寅大統領自身の故郷が北朝鮮(両親が脱北)ということもあるといわれているようです。
韓国の国家行政機関・文化体育観光部から資金援助があった、北を舞台にしたドラマで北の実態に親しんでもらおうという意図があった、といった話もあるようです。
肩肘張らないストーリでストレス発散
そんなこんなで見聞きした「愛の不時着」オモシロさを取り上げてみましたが、ある意味もっとも大きな要因は“コロナ自粛”。自宅でどうにも時間を持て余してしまう中で見始めた人が多く、物語のシチュエーションもどこか荒唐無稽で肩肘張らずに見られる内容だったこともファン拡大につながったことは明らか。ハマった人はいつしか溜まったストレスを発散していることにもなりそうです。
ここまでの世界的なヒットを目指していたかわかりませんが、見事に着地させられました。
やはりネットフリックスで配信されていて、同じくヒョンビンが出演中の『梨泰院(イデウォン)クラス』も視聴率が上昇中、まさに韓流サマサマというところでしょう。


